鎌倉の正月 2009.1.1-2 本覚寺の福娘 |
元旦のお昼は鶴岡八幡宮の屋台で、というのが私のお約束。がその前に行く処が。大町の本覚寺で御座います。えっ? 夷堂橋を渡った処から小町じゃないかって? う〜ん、そうなんですけど。 私の守備範囲は平安時代から鎌倉時代なんですが、今回に限って室町時代、商業が格段の発展を見た時代で御座います。1436(永享8)年、関東公方足利持氏が、日蓮宗の僧・日出に、この日蓮ゆかりの地、夷堂(えびすどう)跡地を寄進して建てられた寺がこの本覚寺です。 エビス様はもともとは漁業海運関係の信仰が中心的であった蛭子神。ここは鎌倉時代には荷揚げの場所でもあったのでしょう。夷堂があったと言います。 お寺は仏教でエビス様は神様だろうって? 神仏分離なんざぁつい最近、明治以降の話しで御座いますよ。 おっ、元旦にはお参りの人が列をなしていたんですが、2日目は空いてる。まあ時間もちょいと違いますが。 というので私もお参り。 ということで「能書」と「建前」を済ませて、さぁ福娘さんだぁ。(笑) 手前の女の子かって? ちっちゃいお嬢ちゃんの着物姿もかわゆいですねぇ。でも違います。福娘さんはもうちょっと大きい娘さんです。あちらに見えるでしょう。 こちらが福娘さんで御座います。ブレちゃったけど、・・・残念。 んも〜、守備範囲が平安時代な人間としてはたまりませんな。 神社の巫女さんも「お参りご苦労さまでした」とか言ってくれますが、それよりこちらの方が嬉しいですね。 福娘さんの横なお姿。 家の娘にもさせたいんですけどねぇ。でもそれを口実に着物をねだられたらどうしようと思って。浴衣ぐらいなら買ってやらないこともないのですが、福娘さんのお着物は高そうで。(^_^;) 後姿です。これもブレちゃったけど。 で、こちらの福娘さん達は何をやっているのかというと。 商人の縁起物なんです。福笹。ここ本覚寺の夷堂の脇に生えている笹に色々とお宝を付けて、月日が経つと葉が黄金色になるとか。で、これが普通の大きさ。ひとりで持ってお渡ししています。 このとき、この三人だけじゃなくて、中に居る全員が声を揃えて、太鼓も鳴らして、「商売繁盛、お祈り申し上げま〜す」と。そんでもって渡してくれるのがこんなに可愛い福娘さんなもんだから、「よっしゃ〜、今年も頑張るぞー!」となっちゃうんですね。あっ、商売をやっていない人は「家内安全」とか、受験生には「学業成就」とかもあります。 こちらは一番デッカイの。福娘さんが三人で捧げてお渡ししていました。すげ〜、いったいいくらするんだろう。 こちらは2千円の熊手でしょう。実は私も同じ物を分けて頂きました。そうしたら福娘さんが、 で、渡してくれる前に「ご商売ですか?」と聞かれたので、「学業成就でお願いします」と言ったら、「エッ!」と一瞬固まったあとで「学業成就なさいますように」と声を揃えて言ってくれました。 後でなんと言ってたでしょうね? こちらが夷堂です。中では祈祷みたいなお払いみたいな、なんていうのか知らないけど、そんなことをやっていました。 そう言えば、恵比寿様と言えば釣り竿を肩に鯛を抱えている姿が一般的ですが、ここの夷様は、鯛も釣り竿も持たないで、岩の上に座っているんだったかなぁ。現在の商人の守り神になる以前の姿をしているそうです。 元旦にはここもズラッと並んでいて、福娘さんが両脇に居たんですが、二日のときは時々おひとりだけやってきます。前には中に居たこともあったけど。何してるんでしょう。いや福娘さんですが。 と見ていたら、中のお払いが済んだ人達をお見送りしている? ということで毎年恒例の福娘さんをカメラに収めて。で、こちらは裏門です。さぁ、鶴岡八幡宮にお昼を食べに行くぞ! って、何か勘違いしてないかい? そういえば、お正月の三箇日も福娘さんはいらっしゃいますが、実は1月の10日が本えびす。で例年は会社があるので行けなかったんですが、今年の10日は土曜日。これは行かねばなりますまい。鎌倉サイトの主としては、毎年の福娘さんのご紹介は公務で御座います。 他の季節は寺院と神社 index 本覚寺からどうぞ |