倉敷の旅 2009.4.9 倉敷民芸館と外村吉之介先生

こちらが言わずと知れた倉敷民芸館。 て、もう書いたか。観光写真で考古館に負けるのは橋とセットにならないからですかね? 川舟が通ったら結構絵になると思うんですが。

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こちらも倉敷を象徴する白壁と貼り瓦の、江戸時代後期に米倉として建てられた土蔵です。倉敷の豪商には江戸初期からの「古禄」と、新興勢力の「新禄」に分類されますが、その「古禄」の家のひとつに水澤家(井筒屋)があります。初期の頃は「古禄」とは言え、その中ではそれほど大金持ちということでは無かったそうですが、18世紀末から19世紀初頭(寛政〜文政)の頃には備中第一の富豪となりました。この現在の倉敷民芸館の建物は、明治の中頃までその水澤家(井筒屋)の屋敷の土蔵だったものです。

それが民芸館となったのは考古館より2年前の1948年(昭和23)。東京は駒場の民芸館に次いで2番目で、以来民芸運動の重要な拠点となっています。


こちらが入り口です。

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初代館長は柳宗悦とともに民芸運動を広めた外村吉之介先生です。「先生」とお呼びするのは、実は私は外村先生のお教えを受けたことがあるからです。熊本で開かれた日本民芸協会夏期学校でほんの半日だけですけどね。あのときは松本民芸家具の池田三四郎氏と、あとは誰だったかなぁ。水尾比呂志先生も居たかな? 大体そのお三方がレギュラーメンバーでしたから。
民芸協会の夏期学校はちょうど私が参加した直後に『美術手帖』だったかで「時代錯誤の民芸十字軍」なんて書かれました。私はその「民芸十字軍」側ですが、お腹を抱えて笑い転げましたね。言い得て妙。

柳宗悦の仲間の中で、特に民芸の発掘、美意識に大きな影響を与えた、その普及に努めたという点では外村吉之介先生、芹沢_介、バーナードリーチがまずあげられましょうか。もちろん河井寛次郎に濱田庄司も有名ですが、しかしあのお二人は陶芸作家としての性格の方が強かったような。


門を潜ったところ。

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ところで、外村吉之介先生はここ民芸館だけでなく、現在の美観地区の保存活動にも深く関わっていたということまでは知りませんでした。やっぱり凄い方だったんですね。そういう後生に残る保存活動までを含めて「時代錯誤」と言うのでしょうかね。確かに民芸運動には「時代錯誤」と言われてもしかたがない側面も有るには有るのですが。


そして振り返ったところ。左側の土蔵の扉が展示室への入り口です。

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展示品は倉敷民芸館のサイトでご覧頂くとして、ここでは館内の雰囲気だけ。

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この部屋だったかどうか、端のコーナーに織機が置いてあります。今では主の居ない織機ですが、私がこちらに伺った3〜40年前には外村先生がそこで機織りをしながら見学者に説明をしていました。いつ行ってもやってましたね。

そこで外村先生にご挨拶したら、「何時にはここが終わるから、何時頃家にいらっしゃい」と外村先生のお宅にお呼ばれして、先生と奥様のお話をうかがったことも。先生は1993年にお亡くなりになりましたが。お生まれが1898年ですからかなりの長寿と言えますね。改めてご冥福をお祈り申し上げます。


突然娘が「パパの椅子がある!」と。この椅子は持っています。
17年前に買ったんですがそんなに高くはありません。でも革の手入れが大変でねぇ。

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最初はちゃんとミンクオイルとか擦り込んだりしていたのですが、そのうち何もしなくなったら、背もたれとか下のところとか、縫ってある革ひもがカチカチになって切れて、そのうちその縫った穴のあたりから革が切れてしまいました。使った油がまずかったのかなぁ。買い直したいんだけど、今でも売ってるものなのかどうか。

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この写真が在りし日の我が民芸部屋で御座います。13年前かな? 今のアパートに引っ越した直後ですからカッコがついていますが、今では自転車組み立て部屋兼パソコン部屋となって、かつても面影はどこにも・・・。フキフキ ""A^^;


さっきの門を入った突き当たりを今度は建物の中から。

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そしてこちらは門を入って左側の棟の窓から。展示室もこの先で終わりです。

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今回ちょっと残念だったのは、ちょうど企画展「外村の育てた工人たち−60年の歩み」の最中だったんで、常設品があまり展示されていなかったことです。ガラスは小谷真三さんのものは沢山展示されていましたが、外村先生が小谷さんに参考にさせただろう、現在の倉敷ガラスの原型のような、江戸時代に長崎に着いたオランダ船の日常雑貨だったろう歪なガラス瓶が見られなかったんです。あれは娘に見せたかったなぁ。

まあ、美術館とか博物館はそうでなくとも展示品の入れ替えを時々するんで企画展のせいばかりではないかもしれません。