番外編 法隆寺を作った工具達 2016.05.12 |
12時9分。西院伽藍の南大門に戻ってきました。あっ、あのバスガイドさんも美人♪ 腹減った〜。朝飯は昨夜買ったおにぎり二つを歩きながら食べただけだったんです。 なんか雰囲気があるお店なので入ってみました。 12時19分。 やっとまともな食事にありつきました。湯葉と梅干の蕎麦に赤米のご飯。それに切り干し大根。旨かった〜♪ 特に蕎麦が。鎌倉のつゆとは違いますね。 でも葛きりは鎌倉の「みのわ」の方が美味しいや。本場の吉野の葛だぞって? 12時49分。 法隆寺iセンターへ。iセンターって何じゃ? と思ったらインフーメーションセンターのことらしいです。なぜここに来たのかというと、この方の工具があるから。古建築では超有名人ですね。生粋の法隆寺大工棟梁で建築史学者を何人もこてんぱんにやっつけたという豪傑です。 建築史学者は建築家と違って家を建てたことはないですからね。 法隆寺へ行くならこの棟梁、西岡常一さんの『木に学べ―法隆寺・薬師寺の美』(小学館文庫)を読んでおかれることをお勧めします。 大工道具なんてめずらしくないじゃんて? 我々が知ってる一番大きな釘は五寸釘ぐらいですが、これを見たでしょ。並の釘じゃありません。その釘がこれ。これならばドラキュラだって殺せるだろうという一品。ちなみに今の鉄と昔の鉄は全然違うそうです。 鉄はおんなじだろうって? 原子(Fe)はね。それを鋼(はがね)にするには不純物、というよりスパイスが必要です。 ハンドメイドのような高級鉄自転車に使う鉄チューブはクロモリ、つまりクロムとモリブデンをちょこっと混ぜて硬度と反復力(なんていうのか忘れた)、を高めてる。クロモリよりレアなのがレイノルズ531で、こいつはマンガンとモリブデンを入れている。ニッケルを入れたのもあります。何年前だったか、カイセイが造りはじめました。炭素も入りますね。 詳しく は知りませんが、砂鉄から作った綱はそのスパイスが違うんじゃないですかね。スパイスだけではなく、原子の配列というものも。焼き入れでも変わりますが、溶鋼のやり方でもえらい違うそうです。だから今の刀鍛冶は材料に苦労をする。 下は釿(ちょうな)と墨壺に矩尺(かねじゃく)です。これらは飛鳥時代から使われていました。
逆に無かったもののひとつが台鉋(カンナ)です。代わりに使われていたのがこれ。槍鉋(やりがんな)。仕上げはこれを使います。刃はカーブしてるんですね。 実物は室町時代の台鉋の登場で消えてしまいました。残っているのは削り跡と下のような絵巻資料だけです。先の西岡棟梁が刀鍛冶に試作させて試してみて、また作り直してを繰り返して、法隆寺に残る槍鉋の削り味がやっと再現出来たときの形だそうです。私は槍先みたいに真っ直ぐなのかと思っていました。 人形で当時(飛鳥時代)の作業風景を復元しています。 法隆寺iセンターへ行かれたらこの板に触ってみると良いですよ。 槍鉋の削り味が良く解ります。台鉋のように真っ平らでなくてゆるく波うってます。 12時58分。JRの法隆寺駅へ。おっ、いい感じ♪ は〜、古巣へ戻ったような。 13時0分。おや、むくり屋根? 13時59分。 えっ、あれ? これ法隆寺駅じゃないや。近鉄に乗り換えた駅だ。となると高田駅? 法隆寺駅は撮ってなかったのか。そういえばトイレに行きたくて焦ってたんだ。(;^_^A アセアセ update 2016.05.27 |