これを手に入れたのは仙台光原社だったと思います。16〜17年前ですね。 花瓶かもしれませんが徳利にも使っています。その方が多いですね。 でも酒器としては冒頭の石飛さんの片口には負けます。何でですかね。これも形はなかなか良いと思うのですが。単純に私の好みだけの問題かもしれません。 花瓶として花を生けるにはなんかやはり自分を主張しすぎます。花瓶だけで眺めていた方が良いような。
花瓶と言えば、一番印象が強かったものは石飛さんが初めて国展に出品されたときのものです。私は石飛さんにお会いしたことは無いのですが、何故かそのときだけは友人に頼まれて搬入・搬出をやりました。 搬入の為に受け取りに行ったとき友人に「これはダメだぞ、もう行き先は決まってるからな!」と念をおされましたがどのみち手は出せませんでした。お値段ならまあ逆立ちぐらいすればなんとか成らないでもなかったんですが。
その花瓶は線は柔らかながら、もの凄く力強くて圧倒されました。され過ぎです。私には分不相応、広いお座敷の李朝のバンダチ(どういう字だっけ?)の上か、床の間が似合っていそうな。良いものだけど、お値段じゃなくて手が出ないって感じでしたね。今「譲ってやろうか?」と言われてもやはり同じ理由で手が出せないような気がします。 あの花瓶のその後の持ち主は1〜2度お会いしたこともあるのですが私よりはちょっと年上の私の違って上品な方で。今はどうしておられるんでしょうね。当時の石飛さんのトップクラスのものがいくつもそちらへ行きました。
私の処は普通に食器ってものばかりですが、ひとつぐらい飾ってもおかしくないのが欲しいよなぁ、と言うのでこれに手を出した訳です。まあこのあたりが分相応の上限ですね。 なのにタンスの上に飾ってあるのは大きな丸土瓶で、これは食器棚の下に置かれて時々花瓶にではなくて徳利になっていると言うのですから自分でも笑っちまいますわ。やっぱり私には作品ものは似合わないんでしょうね。
しかしこれ、照明をちゃんとセッティングすればもっと良い感じに撮れるはずなんですが、イチガンレフでもないデジカメストロボ室内撮影ではいまいちですね。実物はもっと良いです。
ところで、私にも分相応で、もの凄く欲しかったものがひとつありました。薩摩の黒ジョカと白丸土瓶の中間みたいな、土瓶? 黒ジョカ同様に酒器の一種でしょうね。もちろん石飛さんの磁器です。朝鮮に原型が合ったんですかね? ところが私の友人(先輩ですが)は「これはお前には渡さない!苦労して良い物を仕入れてきてもかたっぱしから身内に取られちゃ俺は何をやってんだかわかんないじゃないか!」と売ってくれなかったのです。結局それは九州は小代焼の福田豊水さんが来たときに持って行かれてしまいました。あれは恨めしかったな〜。ちきしょう!(;-_-X;)
もっとも「してやったり」なこともあります。 9寸(26cm)ぐらいの小鹿田の皿の中に1枚だけ実に良い焼きの刷毛目の皿があったのです。良くは判りませんがそれだけ火の当たりが良すぎてあと一歩でアウト!と言うギリギリのものだったんじゃないでしょうか。前にも後にもそこまでのものには私はお目にかかっていません。 ところが! またしてもその先輩は私には売らないと、そこで一計を案じ、その皿を何枚もある下の方に隠しておいて別の人(これも先輩ですが)が店番をやっていたときに訪ねて行って、さりげなく下からそれを引っぱり出し、「おっ、これ良いね♪」と買ってきたのです。 それを玄関に飾っておいたら、ある日お袋が「今日昼にKさんが来たよ」と。 ゲゲーで御座います。 お袋に「この皿見てた?」と聞いたら「うん、”ちきしょうガンタのやつ、これ持っていきやがったか!”とか言ってたよ。」とけろりとしたもん。う〜、人ごとだと思って〜。フキフキ
"A^^; まあいいか、手にいれちまえば文字通り「こっちのもん」で御座いますよ。 その後、K先輩に会ったときに「このやろう!」と言われましたが「店番やってたUさんから普通に買っただけだからね♪」と居直りましたわ。(爆笑) |