齢を加えるとともに精神面では成熟が進んでも、生理的には20歳をピークに老化が。
しかし老化のスピードには個人差が。どこに差が出るかというと、代謝と免疫力。
免疫力を強化するには
免疫力に関わるホルモンは
- 成長ホルモン:細胞分裂を盛んにさせ、代謝を促進する。 しかし老化とともに低下
- DHEA:体内に豊富に存在するホルモンで、これを元にほかのホルモンが作られるとか。でも、やはり老化とともに下がってくる
- そして睡眠ホルモンのメラトニンに、幸せホルモンオキシトシン
もちろんこれらは説明しやすい一例に過ぎない。慌ててサプリメントに走らないように。
免疫機能の低下には様々なものが関係するが、いずれにしても以下が基本。
1. まずは睡眠
睡眠には量(時間)もあるが質も。つまり浅い睡眠、深い睡眠。
天井の豆電球程度の明るさでも、網膜は光を感じて脳は臨戦態勢を解かない。
人間も含めた動物の多くは太陽の光の下でエネルギーを使い(動きまわり)、日没とともに活動を止め、寝ることで疲労した細胞の修復・強化、または使い果たしたものを補給。
そのパターンが何千万年?の時をかけて遺伝子に染みこんでいる。
なので「真っ暗」をトリガーに様々なホルモンの分泌が。(特に成長ホルモン)
2. 栄養不良を改善し、腸内環境を整える
インドのお釈迦様の医学・アーユルベーダのエッセンスは「正しい栄養」「不要なものは捨てる」そして「バランス(調和)」とか。なんとシンプルな!
食べ物について、世間ではいろんなことが云われるけど、全部合わせるととんでもないことに。塩はダメ、油はダメ、肉はダメ、あれはダメ、これもダメ、とうとう焦げた魚を食べると癌になるなんて。あんまり神経質になるとそれこそ癌になるんじゃ?(マジに)
昔の人間より食べなくなった穀物、野菜(いろんな色を取り混ぜて)、繊維質をより多くとる。
それだけで肉・脂肪分は相対的に減る。その次は、よく噛んで腹八分。
その程度でも平均よりはずっと良好な食生活かと。便秘の回避にもなるし。
あとひとこと? つくりたての、温かくて汁気のある食事を、心をこめて食べるとよいとか。
医学的な根拠は知らないけど、精神的な面から消化吸収は良いかも。
3. ストレスの蓄積・慢性化を避ける
適度なストレスは身も心も強くする。問題なのは蓄積しすぎと慢性化。
- 数億年の動物の進化の中では、ストレスは本来瞬間的なもの。
慢性的な精神的ストレスなんて「想定外」。
- だからストレスの蓄積しすぎと慢性化は心と体のいたるところに悪影響を。老化と病気の源、健康の敵。睡眠不足も栄養不良も、ストレス蓄積を後押ししてしまう。
4. 適度な運動
- 循環系:
筋肉の動きで血行(循環)が良くなり、それで老廃物の排出も促進。
心臓ドキドキで血行が、というだけではなく、肺・心臓そして肝臓等に使用済血液や老廃物が戻ってくるためには静脈やリンパの周りの筋肉の動きが必要 。
- ホルモン系:
ストレス時にはホルモン系のサイレン回路(HPA軸)が活性化して、副腎から非常事態・緊張ホルモンが体中へ。しかし緊張しっぱなしでは当然疲れる。
適度な運動はこのホルモン系サイレン回路を落ち着かせるので、副腎は安心してDHEAとか本来の免疫強化ホルモンの生産を再開 。
軽く体を軽く動かす程度でも、慢性的ストレスへの対抗手段に。
(サイレン回路には他に自律神経系もあるが両者はリンク。)
5. 笑う
「病気のもとは笑いとばす」(gooヘルスケア)によると「笑いは百薬の長」らしい。
- NK細胞が活性化され免疫力がアップ (NK細胞は免疫軍の突撃隊長。ガン細胞までやっつける)
- 大笑いのあと、免疫機能を示す値が正常値に近づいたなんて研究が
- 刺激とリラックスが交互におこって自律神経のバランスを整える
「笑って元気になろう! 笑いが横隔膜を動かし、血流を良くすることが証明される」
・・・なんてニュースも。良いことずくめ?
6. 誰かを助ける
アメリカの記事「ITプロフェッショナルにお勧めする5つのストレス解消法」には、
「他の人を助けると、非常に気分がよく感じるものだ。他の方法では感じることのできない高揚感をつくり出す。・・・自分が得意な作業に四苦八苦している人でもいいし、少し取っつきにくい性格のためにディナーに招待されない叔母でも構わない。その行動が自信につながり、仕事にもプラスに働く」と。 (『「親切」は驚くほど体にいい!』 D.ハミルトン。 オキシトシンだそうです。)
7. ついでに「感謝を表す」
「誰の人生にとっても、素晴らしいことが2つ3つ(原文はa couple)はある。これらを常日頃から気にかけることが大切。
・・・幸福と、そして大きな成功の1番の根本は、自分が手にしているものに感謝をすることだ。自分の持っているものに感謝している人ほど、大きな成功を掴む。」( ・・・なんかお釈迦様みたいな。 根拠は同上書? 6章は「今、自分にあるものに目を向ける」)
8. 更についでに「花を活ける」
あるヒーラーは、よく「部屋に花を活けろ」と。
「生気 」かどうかは知らないけど、「綺麗と感じる」と心が和む。
「誰かを助け」たり、「感謝を表す」ことが良いのなら、「綺麗と感じる」ことが悪い訳はない。もちろんお香(アロマ)も森林浴も良いだろうが。
老化は、感情、脳、体の順に進むらしい。老化防止はまず明るい感情から。(by 和田秀樹)
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