西上州道普請.5.1   旧十石峠街道(上)   07.05.04

この正面が旧十石峠旧街道の入口です。

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仲間内ではA地点。いや、道普請ルート図に「A」とあって、新しい仲間にその地図を見せながら「ここがこのA地点でさぁ」とか言っていたら、その日の作業に加わっていた村役場の職員さんが「Aだな?」と言いながら、車から赤いスプレーを持ち出してシャカシャカ振りながら、あのガードレールの処へ歩いて行くではないですか。
「あー、待って!」と言うのも聞かずにシューっと「A」と書いてしまったんす。 「そ、そんなことしたら怒られますよぉ」と思ったら、そもそもここいらを管理している地元行政の人ですから全く問題なしだったのでした。それにしても、書き終えたあとのまるで悪戯っ子みたいな自慢げな笑い顔は今でも思い出しますね。(笑)


さて、ここからの道は私も加わっていた数年前の道普請場所なのです。その後上野村が予算を付けてアッという間に立派な「ハイウエイ」になったと聞いていて、いったいどんなになったのか見てみたかったと言うのも今回の上野村入りの大きな目的だったんです。

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「うぉー、こりゃすげえ!」道普請首謀者の鈴木敦さんは確かに村の了解、道具の貸出も受け、複数の地主の了解を得て、更には「ちょっとぐらいなら木を切って使ってもいいよ」との許可も頂いてはいたのですが、路肩の補強に使うのは主に倒木。生きている木を切るのはミズキのようなまず商品価値は無かろうと言う樹木の群生の一部を目立たないように切って杭に使うぐらい。でも村が本職を使ってやると全く違いますね。


この下流の民宿清流荘のおばさんが言っていたようにこの旧道は斜面に造られているので台風などで倒壊したり、植林していても場所によっては岩盤の上の薄い地表なのかよく木が倒れて道を塞ぎます。村の道普請のあともその状況は変わらないのでしょう。

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しかしこの道を塞いでいたであろう倒木はチェンソーで切断されて取り除かれていました。葉はまだ青かったのでつい最近のことなのでしょう。


うぉー、これは! と言っても昔を知っている人にしか通じないでしょうが、ここは上から水も土砂も流れてくるところで自転車は担ぎ渡すようにして超えた処なのですが、ちゃんとした道に。そして水が抜けるようにパイプが通してありました。

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先ほど杭を作ってと言うことを書きましたが、下の写真の右に写っているような細い広葉樹を使ったんです。その杭を打ち込むのだって鍬を逆さにコンコンとか。そうそう、吉田さんとこに確か、貰っちゃえ。

07_0504_4_001.jpg これ、確か私が手斧で作った杭じゃなかったかな? 
私は左利きで、役場から借りた片刃の鉈が使えず、これでは仕事にならんと右も左も無い手斧を買ってきて得意になって杭を作っていたのです。
太いのが当時の最新兵器「杭打ち君」。
これで大いに作業がはかどり、というような程度のものです。(笑)

それが見てください。杭には鉄柱を使って、それも頭がへしゃげるほど強く打ちこんであります。ド素人とプロの差ですね。

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さらにたまげたのはこの橋。なんと立派な! 

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ここは先に登場した「A」を書いた役場の方が少し上の場所で「う〜ん、これとこれ!」シューとスプレーでマークした大木(私らにはね、径が15〜20cm?)3〜4本を「やってみな、 こっちから切るんだよ!」と言われて鋸で切り倒したものを運んで橋を架けたのですが、一生懸命考えて架けたつもりなのに渡ってみるとグラグラして。

uee31.jpg あっ、見つけた。
kurikinnさんサイトの上野村・むかし道MTBツアー2000にあるこの橋がそうみたい。この写真はここに架けた翌月、ちょうど1か月後ですね。写した位置は逆ですが。
(kurikinnさん有難うございます。)
 

しょうがないんですよ、今の電信柱みたいな真っ直ぐな木じゃないくて、こんな材木にはならない自生の木を使ったんですから。それが貴方、今では上で飛び跳ねたって全く大丈夫なこの頑丈な橋に付け替えられて。

そのときのログを発掘しました。

Subject: Re: 道普請     Date: Mon, 23 Oct 2000 01:16:21 +0900 

さて2日間の戦果でありますが、合計8名の参加。2コース通しの草刈り完了。
じゃまな倒木撤去、じゃまな立木にもご遠慮頂きまして。 いや、今回は「しろい」の区長さんに村役場のお役人様まで加わった(午前中の)作戦会議で「じゃまな木があったらじゃんゃん切っちゃえ。俺が責任を持つ」とのお墨付きを頂いたとか。

でもあの墨って、なんか赤かったけど。(笑) いや私は後(午後)から合流したんで見てはいないんですが、この木はじゃまだな〜と言うところには必ず赤いスプレーでマーキングが。中には「いや、このくらいあったっていいですよ〜」と言うものまで相当。(^_^;)

まあ関係者はお解りでしょうが、川に橋まで架けました。すこし上の方から木を切り出したんですがプロの伐採術を初めて見ましたね。

2箇所の入り口は秘密の、「ここだっけ? たしかここだ。いやほんとかな〜(^_^;)」という緊張感が無くなってしまいました。特に「しろい」の集落からず〜っと上がった終点は「A地点」と命名。
名付け親は吉田さんで御座ります。で、こいつは上野村公認名称。なんせスプレーで「A」と書いちゃったのは村役場さんですから。(大笑)
「ワー、書かないで良いですよ〜(^_^;)」と言ったのにスプレーをカシャカシャ振りながら悪ガキのような笑みを浮かべてガードレールに。

とは言っても、初日の午前中には一瞬緊張する場面もあった様です。
あの沢の水は「しろい」の集落の飲み水だとか。コースが流れに異常接近した場所で、区長さんえらくそれを気にし。「立ち入り禁止にした方がいいのでは」とおっしゃりかけたとか。
役場の取りなしで「そこいら一帯立ち入り禁止」にはならずに済んだようですが、山サイも含め、山に遊ぶよそ者は大小便の対処の仕方には十分な注意をはらうべきでしょう。・・・・・・・
実際下流に住んでおられる方にとっては深刻な問題です。

ところで、焚き火の宴ですが。「シェパード」で盛り上がり。・・・

あっ、「シェパード」ってあのときだったのかぁ。「シェパード」って犬の名前は他の話も混じっているような気もするのですが、私のいない時に村の人からここ十石峠街道の昔話を聞いたときこんな話があったそうです。又聞きでそれももう7年も前に聞いた話ですので正確ではないですが。

ある人が自転車の荷台に荷物を積んで、この道を犬に自転車を引かせて十石峠を越え。おそらくは大日向なのか、それとも羽黒下なのかまで運んでそれを売り、その金で別のものを仕入れてまた犬に引かせて十石峠を越えて上野村に戻り・・・、を繰り返して財を成したとか。

自転車というからには大正から昭和の初期の頃でしょうか? 昔の黒塗り実用自転車って下手すりゃリヤカーを引いてたりしましたからね、おっと訂正、していた「そう」ですからね。でも何を積んで売りに行っていたのでしょうか? それは多分・・・・、後で旧黒沢家のところで。

今でも車を持たない私が上野村道普請に参加するのにわざわざ信州まで廻ってそこから十石峠を自転車で超えるように、ここ上野村、昔だと楢原村は上州の熊谷や高崎よりも十石峠や栂峠の向こうの信州の方がまだ近かったんですね。


話を戻して、上の写真の右上あたりがここです。ここは上から常に腐葉土落ちてくる場所で、上もそうなら下もそう。杭を打っても(渡しらの短い杭と非力な打ち込みでは)まさに糠に釘状態でなすすべなしみたいな感じだったのですが・・・・。丸太を敷き詰めた頑丈な廊下になっていました。

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素晴らしい。もう自転車を担ぐ場所なんかありません。4サイドにバックを付けた荷物40kgの日本一周ツーリング車だって大丈夫って感じですね。いや、私はやりませんが。(笑)


ここはいつも昼飯を食べていた処です。と言うか、1日目はみんながここでお昼を始めるまでに、あるいはお昼の最中に私が十石峠を越えてここにたどり着くと言う場所です。作業配分はここから上流(今来た道)が3に対してこの先の下流は1ぐらいの比率ですかね?

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と言うのはここから先はそれほど倒壊の被害は受けない、ただし棘草が生い茂り、と言う感じで、路肩補強はそれほど必要はなく、むしろ村役場から借りてくる草刈り機の主戦場みたいな感じでした。
その草刈り機ですが、初めての人間ははまります。私の最初ガソリンが切れるまでどんどん先まで行ってしまいました。

そうそう、その時の事件の記録がNIFTY/FCYCLE「山紫水明」会議室の過去ログにありました

Subject: Re: 道普請お疲れさま(2)  Date: Tue, 23 Oct 2001 11:37:31

さて、作業の方ですが、これは大前さんからも報告がありましたが、ちょっとだけ補足。

2日目登場の青木さんを「草刈りジェイソン」に仕立てて白井方面へ出撃。
あの悪質なトゲトゲ草の撲滅に草刈り機が唸りを上げはじめて10m。
青木さん:「なんか変な振動がするんですけど(^_^;)」
わし  :「なんだろう、ちょっと止めてみよう。その手元の赤いボタンで止まるから」
草刈り機:ウイーン、ウウウ・・・ポタ。(歯が落ちる)
青木さんとわし:「ギャー!!」(O.O;)(o,o;)

幸いナットもその場に落ちていたのを発見。
残りの悪質トゲトゲ草は鍬と私の鋸、手斧でなんとか平定しました。

初の女性道普請、加藤さんもけっこ填ったようでマイ鋸とかマイ鉈とか買っちゃおうかなんて言ってます。野郎どもが草刈り機を持つと「ジェイソン」に変身するのは何度も見ましたが、女性が持つとどうなるのでしょうか? 次回のお楽しみですね〜。(笑)

そう言えば、焚き火宴会の席での歳当てクイズ。
加藤さんによれば、一番年上が大前さん。一番若いのが私で28歳(爆笑)
大前さんはえらいショックを受けて、加藤さんが帰ったあともブツブツと何か言っておりました。

その青木さんに翌日の夜の宴会でお会いしたのです。いや、言われるまで気が付きませんでした。
大前さんには草刈り機事件なんかより、歳当てクイズの方が大事件だったようで。(爆笑)