奈良・春日大社.2      竈殿と酒殿             2016.05.13 

着到殿の後ろにも檜皮葺の建物が。寝殿造なら雑舎ぐらいです。

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ちょいと覗いてみましょう。

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この建物、竈殿と書いて(へついどの)と読むらしいです。こんな字、知りません。形からすると、竈ですかね。あれ? 同じ字だ! かまどはかまどで良いじゃないか、まぎわらしい。(`ヘ´) プンプン。

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正面五間、側面二間の切妻造の建物で、毎年3月に行われる春日祭で神饌を調理するための社殿だそうです。神様用厨房?

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檜皮葺の葺き替えは平成24年。え〜と、4年前? なので新品同様ですね。

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大工さんの仕事の範囲は古風で質素な建物なんですが、檜皮師の仕事の範囲はかなりゴージャスですね。軒付きの檜皮が二段です。着到殿より手が込んでる。いつ頃からでしょうね、こういう形になったのは。

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建物は柱は丸材、横に貫(ぬき)で繋ぎ、上には肘木(ひじき)を直に置いて桁を受けています。長押(なげし)は戸の上だけ。現在の建物は、永徳2年(1382)の焼失後、嘉慶2年(1388)の再建だそうです。こんな簡素な建物でも卦結構保つんですね。壁や屋根は何度も修理しているでしょうけど。

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でもほとんど壁ですから大丈夫なんですよね。土壁ですけど柱をしっかり支える効果は大きいんだそうであす。

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そのとなりにはもうちょっと大きな建物が。

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こっちは酒殿(さかどの)だって。 春日祭に供する社醸酒をつくるための建物で、中には酒神がお祀りされているそうです。

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現在の建物は江戸時代初期の寛永9年(1632)造替によるものとか。竈殿(へついどの)よりはだいぶ新しいんですが、建て方は全く同じです。こうと決められた伝統的な形で、以前と同じように建て替えてきたんでしょうね。神社ですし。

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ただ、こちらには煙だしの小屋根が突き出しています。 何で竈殿(へついどの)にはないの? あっちも火を使うでしょうが、と思うのですが、そこが江戸時代なんでしょうか?

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こちらの屋根は檜皮葺が二重にはなっていません。まあどのみち端だけの話ですが。 桁行五間(ま)に、梁行三間(ま)、つまり片側に庇のようです。屋根の垂木も母屋桁のところで角度を変えています。

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しかし綺麗なカーブですね。ちっちゃくても日本建築ここにありというような。

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あの煙だしを乗せたことで屋根はだいぶ重くなったと思うんですが、それでもこの簡素な造りで保っているのは檜皮葺だからでしょうね。あとは壁。

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update 2016.05.31