キッカケはユーチューブ畑は小さな大自然!そーやんチャンネルの『毒にも肥料にもなる!コーヒーカスの使い方と注意点!』で、話題の中心は日本作物学会で発表されたUCCと近畿大農学部との共同研究『コーヒー抽出残渣の施用による植物の生育、土壌改良の評価についての報告』です。
コーヒー残渣の土壌改良効果については、土壌の炭素、窒素両方の含有量を効果的に増加させ、かつC/N比を減少させた。この効果は窒素富化とC/N比改良の観点でウマ厩肥散布と比較して著しく高かった。
この段階では「コーヒー抽出残渣にウマ厩肥(きゅうひ)を混ぜた堆肥を施用すると、植物生育阻害効果が見られ難い」とは有りますがぼかし肥化の話は出てきません。「コーヒー抽出残渣を堆肥にして利用すれば、休閑を行う必要なしに作物が栽培できます。」とはあるけど。ぼかしを作ったことのある人がこれを読んだら「ぼかしにすれば1年目の生育阻害は回避出来るんじゃね?」と思うでしょう。
でもねえ、これそんなに凄い? まずもってコーヒーカスを10キロなんて手に入れられる人ってどんだけ居る? 次ぎに1平米に10キロも入れて目立って効果があったのは8種類の内で3種類だけ。1キロだと目立った効果があったのは1種類だけですよ。
更に検索すると土いじりチャンネルに下高敏彰氏の『ぼかし肥料の作り方 2度美味しい!コーヒーのガラでつくるコーヒ粕ぼかし』が。
やってみようかな♪ 世間の声:↑あんだけコキオロシておいて作るんかい!
ニームみたいな病害虫忌避効果が有るかもしれないと思って。 無かったら・・・。「籾殻燻譚の代りにタダでで貰えるコーヒーカスを使いました」 と云うことにして、病害虫対策はニームケーキに頼るしか無いね、高いけど。 自然志向な家庭菜園セレブリティのステイタスシンボルだから我慢しようか。フキフキ "A^^; 世間の声: ニームを使ったらセレブかい! お前がセレブを名乗るにはそれしか無いか。
でも自宅コーヒーのコーヒーカスなんて微々たるもの。 大量に出るのは勿論喫茶店でしょう、といつもの喫茶店で聞いてみました。 「コーヒーを入れた後の豆カスはどうしてるの?」と。そうしたら「捨ててる」と。 「捨てるの手伝ってあげようか♪」というと「何にするの?」と云うので 「肥料を作る。一日にどんぐらいの量が出るの?」と聞くと何十リットルもと。 そ、そんなには要らない。(;^_^A アセアセ
百均でビニール袋を買い、「フィルターごと放り込んで良いからね♪」とお店の人に渡して 翌日行くと用意してくれていました。でも大量で重ッ、用意したビニール製手提袋に入らない。慌てて駐輪場に戻ってサドルバックに入れておいた大きな保温手提袋を持って行ったらやっと入った。 家に戻って体重計に乗せたら7キロと。そりゃ重いわ。(;^_^A アセアセ お店の人談: 捨てるの手伝ってくれるんじゃなかったの! その次の日に「これぐらいの量ならどう?」と渡されたのは1キロぐらいの小さな袋。 「楽ち〜ん♪」
その二回分をブルーじゃないブルーシートに広げて天日干しです。
ブルーシートって、詫び寂びな俺様の雰囲気じゃないでしょう、なので持ってるのは深緑。
フィルターも乾かして叩くとベッタリ着いていたコーヒーカスも回収できる。
干し上げて容量を量ったら10リットル、1リットルが大体500gだったから5キロのコーヒーカスが。 こんだけあれば実験には十分。 なので「あと一回で今シーズンは終わりにしよう。俺の畑って一坪しか無いんだもん」 と云ったら「今は何を植えてるんですか?」と。ううっ、言いにくいことを。(;^_^A アセアセ しかたなく「白菜と玉葱と蕪」と答えると「良いなぁ〜」だって。 ・・・じっ、実は玉葱は収穫出来るかどうか不透明なんです。フキフキ "A^^; でも長ネギもあった。
最後の一回の爲に百均で容量7.5リットルの蓋付きポリバケツ220円を購入。 蓋はバチンと止められるやつで、それをザックにぶら下げて運べば楽勝♪ ビショビショの物を入れたって水気が垂れることは無いし。
最初からそうすれば良かった。 豆カスがタップリとお湯を吸ってあんなに重くなるなんて思わなかったからねぇ。
最後の一回はこのバケツ満杯に。 家に帰って計ったら4キロぐらい。即座に天日干しです。 天日干しも二回目となるとスキルアップ。 ブルーじゃないブルーシートの上に段ボールを敷いて、その上にコーヒーカスを広げました。 上は天日で蒸発、下は段ボールが水分を吸うという両面作戦です。俺ってば天才♪ 出来上がった乾燥コーヒー豆カスは5リットル強。 これで最初のコーヒー糟ぼかしを試みることに。
発酵させるもの
発酵させるメインはコーヒーカスと油粕。これらは生で畑に撒く訳にはいきません。 生の油粕を野菜の根元に与えると、それが発酵するときの熱やガスで野菜などの植物に悪い影響を与えます。だから牛糞堆肥でも鶏糞堆肥でも油粕も園芸店では発酵済を売ってるのですが、それでも発酵が不十分な場合があるので、一般に種巻きや苗の植え付け1ヶ月前、少なくとも2週間前までに施肥を済ませておく事とされています。コーヒー糟は油粕などよりも毒性 が強いので、雑草抑制目的で無い限り、直に撒くのはNGとされています。
その毒性って1平米に1キロ以上入れた時ですけどね。毒と言っても 暗殺 には使えません。 私は毎日飲んでるし。ただ子供には飲ませないでしょう。苦いって嫌がるし。 普通、ボカシ肥料の施肥はこれを見ても1平米当たり2〜300gぐらいじゃないですか? その内コーヒーカスは多くても1/4ぐらいで1平米当たり100gも無いです。 本当に雑草抑制するんかしら、畑じゃないとこで実験してみようかな。翌年雑草が大成長は困るけど、緑肥を育てれば良いし。 ん、1平米に10キロ? コーヒーカスが足りない。(;^_^A アセアセ
コーヒーカス
コーヒーカスは前述の通り最後の一回分の5リットル。 (本当はもう少し多いんだけど、堆肥作りで1割2割は誤差の内) 他の材料もコーヒーカスを5リットルとした配合 です。
油粕
未発酵油粕をコーヒーカスと同量の5リットル。 コーヒーカスの発酵熟成には時間が掛かりそうなので、その間に油粕も発酵熟成するだろうと。 未発酵の方が安かったし。5キロ二袋で約千円。
でも二袋10キロをザックに摘めて担いで自転車で走るのは重かった。フキフキ "A^^; 1リットルの重さを量ったらほぼ500gなのでこの5キロ入り一袋は10リットルぐらい。 一袋で良かった。あんなに辛い思いをしなくても良かったんだぁ〜。フキフキ "A^^;
米糠
米糠は確かに発酵させるものではあるんですが、 私の意識としてはコーヒーカスや油粕を発酵、無毒化させる爲の微生物の餌、あるいはオカズ。 5リットルでも良かったかもしれませんが、長丁場なのでコーヒーカス+油粕と同量の10リットル。 まあだ30リットルの米袋で丸ごとひとつあるし。
米糠はだまになりやすく、なってしまうと空気を通さず、発酵じゃなくて腐敗に走ってしまいますが、次の籾殻や籾殻燻譚と混ぜるとだまにはなりません。
それ以外の資料
籾殻
籾殻を5リットル入れたのは発酵熟成中の空気の通りを良くする爲です。 好気性発酵なので空気が届かないと湿った処は腐敗になってしまう。 これも発酵すると肥料にはなるんだけど肥料成分は低いし固くて分解する微生物は白色腐朽菌(地球上で唯一木材を完全分解できる生物)ぐらいしかなくて一年ぐらい掛かる。
逆に籾殻燻譚を入れなかったのは、コーヒーカスも炭や籾殻燻譚と同じく多孔質なので、 いつも籾殻燻譚に期待している 「有用菌のマンション役」はコーヒーカスが果たしてくれるのではないかと。
蛎殻有機石灰
蛎殻有機石灰は発酵の役にはあんまりならないから入れなくとも良いのだけど。 野菜には必要らしいので買ってあったんです。 でもまだ使っていなかったので、これを機会にと1リットル。 ぼかし肥料と一緒に撒けば一石二鳥でしょう。履く直前に混ぜても良いんだけどね。
百均腐葉土
ネット上のコーヒー粕ボカシのレシピでは腐葉土を入れるものが結構多いのです。 でも理由を書いている作り手は知る限り居ません。何で入れるんだろう? もっともらしい理由を想像すると、
- コーヒー豆の窒素は分解しにくくて、腐葉土にも含まれているだろう白色腐朽菌に期待した?
- 先の研究発表にあった厩肥(きゅうひ)を混ぜると植物生育阻害が起こりにくいと云う点?
厩肥じゃないけど。
それぐらいしか思い当たりません。
でも白色腐朽菌が居ることは土壌にとってはとっても良いこと。 菌ちゃん先生こと吉田俊道さんの云う菌ちゃん・糸状菌の仲間なのでアーバスキュラー菌根菌 (AM菌・VA菌根菌)も居るかもしれないし。
何で百均腐葉土かと云うと、あるとき百均腐葉土の中に糸状菌らしき白カビがそれこそはんぺん状にびっちり広がっているのを見つけて、そういうやつだけ選んで数袋買ってあったからです。 きっとビニール袋で密閉されて倉庫で長期保存されて、嫌気性発酵で白色腐朽菌が培養されてしまったんでしょう。ある時期だけで、普段の百均腐葉土にははんぺんは入っていません。 つまり百均で腐葉土を買った訳ではなく、白色腐朽菌などの善玉菌を買っていて、そしてそれを今回投入したんです。なので私の意識としてはこれは菌資材。
菌資材
今回発酵に使う菌は納豆菌(バチルス菌)と乳酸菌がメイン。ついでに麹菌が少々です。納豆菌も乳酸菌も使うのは今回が初めて。いままではコーランネオだったので。
納豆菌
とうとう納豆菌に手を染めました。10粒ぐらいで良いらしいのだけど、残してもしょうがないのでワンパック全部をお湯に溶きます。納豆1P(50g)には3〜4億個の納豆菌が生息するんだそうです。
納豆菌液なんか作って畑に撒く農家が結構あるらしく、納豆菌自体が植物には有益らしい。興味は有るんだけど、納豆菌液を作るのは夏場だね。でないと加温が大変。
乳酸菌
乳酸菌も今回お初。 別に固形や飲むタイプのヨーグルトで良いのだけど持ってないのでこれを。 「生きた乳酸菌400億個」に釣られて。この甘みも細菌の餌になるだろうし。全部は必要無いのだろうけど残してもしょうがないのでワンパック全部。 少しは飲みましたけどね。
塩麹(麹菌)
料理の爲に買ってあって、 でも豚バラブロックを二晩浸けたら麹の臭いが五月蠅くてそれ以降塩だけで浸けることに。 なので今後の使用予定はなし。 麹菌が入っているならとこれも少し投入。 活性温度は15℃以上なので冬場には発酵の引火材にはなるかと。
ぼかしに入れる前に少しでも増殖させておこうと、以上と豆乳をお湯に投入してかき混ぜ2リットルのペットボトルに入れ、一晩置いたら分離していた。ヨーグルトが出来た? 納豆入りの? 気持ち悪い。(;^_^A アセアセ
全部混ぜたのはぼかしに入れるときに均一に混ざるから、と思ったんだけど、 今度から混ぜるのはぼかしへの加水直前にしよう。
その他の資材
木酢液
木酢液の希釈液は悪玉菌を抑えて善玉菌の餌になって爆増させるから。
米糠やコーヒー粕、油粕などを均一に混ぜたあと、先の混合液で加水してまぜた後に、 最後の水分調整時にジョウロに入れてかけました。
材料まとめ
- 米糠 10L
- コーヒー糟 5L
- 未発酵油粕 5L
- 籾殻 5L
- 蛎殻有機石灰 1L
- 百均腐葉土 2.5L 合計 28.5L 約15kg
- 木酢液 200倍希釈 1L
【ご注意】
これがコーヒーカスぼかしのレシピだなどとは思わないで下さい。 「私は1回目はこう作りました」と言うだけで、2回目の材料構成は絶対に変わります。
それに、私の知る限り、ネット上には「コーヒーカスぼかしを作りました」という記事は沢山あっても殆どは私と同じ素人さんで、畑に撒いた結果を報告されている方は皆無なのですから。 我が家の効果も来年になるまで判りません。
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