銭洗弁天への道・北鎌倉編 銭洗い弁天

昔の参道

降り立った処で左を見ると。おんや、なんじゃこりゃ、鳥居がいっぱい。行ってみましょう。

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なんか昔、ATG華やかりし頃、篠田正浩 監督作品の「心中天網島」にこんな感じのところが出てこなかったっけ? なんか判らない処ですね〜、もっと奧に行ってみましょう・・・・。
なんて、もちろんここが銭洗い弁天なんでが。それもこちらが本来の参道です。戦前まではね。と言ってもさっきの山道からではなく、佐助稲荷の方から登って行くのですが。

今の参道

現在はこちらのトンネルが正門?の様になっています。でもこれは戦中・戦後の後付出入り口ですね。

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この上に高射砲の陣地を作るためにこの急な坂道が車道として作られて、その後にこのトンネルが作られて入り口になったそうです。

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こちらはお正月のとき


そのトンネル、確かに歴史は古くはないとはいえ、すっかりイメージが定着して銭洗弁天と言うとこのトンネルを抜けないと行った気になりませんね。まあ、行きでも帰りでも良いのですが。

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実際にまるで異次元へのタイムトンネルのような趣があります。

境内

そのトンネルだけでなく、銭洗い弁天と言うと洞窟のイメージになるのはここのせいが大きいでしょう。

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硬貨を洗う人、お札を洗う人、更にはお財布ごと洗ったどうだろうと言う人まで。いや、私の上司が冗談で言ったんですが。(笑)

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こちらは去年の卒業式シーズンです。なんかこの場の雰囲気に似合いますよね。

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ちなみにうちのおばあちゃんは明治時代にこういうカッコでバスケットボールをやっていたそうです。(笑)
ところでこの画像の右上にお堂があるのですが、ちっちゃくてとても人が入れるようには思えません。


ところが! お正月に行ったら入っていたんですよ、神主さんが! でもなんか窮屈そうでした。

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由来と言うか歴史と言うか

1180年に頼朝が鎌倉入りをしたあと、良い水を探させたそのひとつがこれだったと思います。まあ伝承では「宇賀福神」が頼朝の夢に出てきたので水の湧く聖地を探させたと。御本体「宇賀福神」は水の神で身体は蛇・頭は人間の老人の形をしているそうです。何で蛇なのかと言うと、それはゲンボー先生に聞いてみるのが良いでしょう。弁天さまについてはこちらですね。
「お金が増える」と言うのは確か5代執権の北条時頼が「この湧水で金銭を洗い清めると心身の不浄を洗い清めて福徳利益をいただく」

つまり「欲にまみれたお金を洗って、心も清めれば自然と富もたまる」と言ってここを崇拝させたんですが、でも今の皆さんは「欲にまみれてそれを増幅させる為に」ここに行くみたいですね。

お茶屋さん

は〜、人間てしょうがないですな〜。私はそんなことはありません。えっ? じゃ〜いつも何しに行くんだって? そりゃあなたこの中のお茶屋さんでトコロ天を食べる為ですよ。(笑)

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あっ、ラムネもありますよ。それにね、ここのおみくじが鎌倉で一番安いんですよ、50円! 

ちなみに私の末の妹は此処でお金を洗って、増えるはずだったのに帰りにもやい工芸に寄ったらアッと言う間に散財して無くなってしまったそうです。
「いったいどうなってるの! 御利益ないじゃん!」 と文句を言われましたが、そう言われてもね〜。フキフキ "A^^;

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そういえば、ここのお茶屋さんにも良くリスが居ます。

さて帰り道は?

さて、あとは帰り道ですが・・・、どうしましょう。
実はここからがまたお楽しみなので御座います。今来た道をそのまま帰ると言う方は少ないでしょう。せっかく来たのだからのだからのだ楽しみたい。当然で御座います。
出口は2つ、トンネルの出口と昔の参道。トンネルから出でも、坂を登るか下るか・・・・

坂を登ると源氏山公園です。その源氏山公園から先には3つの散歩道が。化粧坂切通しを下りて逆に亀ヶ谷切通しを登り北鎌倉へ出るコース。
もうひとつ、源氏山を越え、寿福寺へ降りて鎌倉市街を散策するコースもあります。
更に、坂の上から左に大仏ハイキングコースへ行くのも良いかもしれません。

もうひとつ、坂を下って「みのわ」で葛切りを食べた後、直進して鎌倉大谷記念美術館、そして御成門商店街の洋館を見て鎌倉駅へと言う散歩道もあります。

銭洗い弁天のもうひとつの出口、本来の参道から佐助稲荷と言うのもなかなかお薦めです。
そこから目と鼻の先の大仏ハイキングコースへ行くのも、あるいは尾根を反対にちょっとだけ山道を楽しんで大谷記念美術館の方へ行ってしまうのも良いかもしれません。