我が家の英才教育
昔は時々娘も山に連れて行って焚火をしました。山と云っても電車で二駅の里山ですが。 我が家の英才教育はピアノではなくて焚火。
これは薪にする枝を切っているとこ。 ナイフの様に見えるのはナイフじゃなくてオピネルのナイフ型のノコギリです。
今度は料理の準備で鶏肉を切って居るところ。包丁じゃなくてカーボンスチールのナイフです。 私の焚火用革手袋をしているのは肉が冷たいから。1月なんです。
それを焚火で料理。 右の怪しい輩は知り合いのマウンテンバイカー。当時私は自転車担いで山登りな 山岳サイクリストでしたが、彼はレース系。たまたま通りがかってちゃっかりと食べて行った。 娘はお箸作りです。お箸は堅い木の小枝を物をつまむとこだけ削って作ります。
あっ、良く見たらナイフの刃が逆を向いてる。 娘の焚火焚火デビューの頃なので間違っても怪我をしない様に私の焚火用革手袋をさせているんですが。昔の小学生は筆箱に肥後守ってナイフを入れていて鉛筆はそれで削っていたんでナイフの使い方 を知っていたんですが、今では鉛筆を削る小学生なんて居ないでしょう。
火吹き竹を使ったことのある小学生なんて、この頃でもうちの娘だけなんじゃない? あの火吹き竹は長さとか先端の穴の大きさとか、焚火奉行たる吾輩のノウハウが凝縮した逸品。
この鍋はロッジじゃなくてCAPTAIN STAGだったけどこれ?、見つかりません。 どっかの段ボール箱に入ってるはず。このサイズは一人二人の時は使い易かったのに。
焚火で予行演習
そんな焚火が面白かったらしく、一度など授業ですいとんを作るから焚火で予行演習をしようなんて言い出して。このときですね。このオチャラケぶりは誰の血でしょうか。
着ている赤いワンピースはパタゴニアのフリース。パタゴニアの日本支社は当時鎌倉に有りました。直営店付きで。パタゴニアは大人用は高いけど、子供服はそんなに高くなかったんです。なので当時鎌倉にはパタゴニアを着た子供を結構見かけました。きっと親御さんがアウトドア好きだったのでしょう。 この服は私も店員さんもサイズが大きいと反対したんですが、ロングスカートみたいになるのが気にいったのか、大きくなっても着られるからこれが良いと言い張って。
焚火をする場所はまだ遠いのに、やる気満々で薪拾いを始めて。
まだ良いから置いていきな、と云っても持っていきます。
まあ杖としては役にたったけど。
なんかインディアンの娘みたい。
実は娘に「近道をしよう」と嘘をついてタクシーに乗せ、いつもの反対側から 山道を下り、石を伝って小川」を渡ったり、遠回りして焚火処へ行ったんです。 2月の初め頃?小川の流れの弱い処には氷が張っていて、この棒で 氷を割ってはしゃいでました。氷は割り放題なので。
水も岩から浸みだしたのを汲んでいつもの焚火処へ。 娘は全部自分で用意すると前日からリュックに鍋からお茶碗まで詰め込んで。 これは学校で配られたスイトンの作り方のプリント。
娘がリュックから取り出したティーカップに私はのけぞりました。 「そ、それ持ってきたの?」と云うと「あたしこれ好きなんだもん♪」だって。 そりゃ嬉しいけど、それが割れたら二度と手に入らないのに。 山下碩夫さんは作風が変わっていたんです。
ホーロー鍋を焚火に使ったら煤で大変なことになるので私は小ぶりの鉄鍋と、撤収が楽なように組み立て式の焚火ストーブを持って行き、焚火ストーブに火を着けただけで、あとは娘が全部自分でやりました。なにしろ学校の授業の予行演習なので。
もしかして娘が始めて自分一人で一から作った料理?
無事完成して実食!
もちろん私も分けてもらったけど美味しかったですよ。 娘が作ったものをまずいと云う親は居ないでしょうが。
煙が目にしみる。
これはタイマーで撮ったんだと思います。 私が着ているのは焚火の正装、John Partridge のオイルドコットン。 当時のBarbourは油の臭いが強すぎて街中では着られなかったので。 オイルドコットンは今で云えばゴアテックス? でも焚火の火が跳ねても穴が開きません。
大船駅に戻ってきた娘です。この山屋ベストは 私のもの。 なにしろ日影な小川に氷が張ってる季節なので寒くなった時の爲に私が用意したんです。 最近は私もユニクロになってしまいましたが、登山用のベストは保温性能と軽量化の両立の爲に最高級のダウンを使っています。シュラフも同じく。
元嫁に電話して夕食の店に合流したら元嫁が「◯◯ちゃんそのベストどうしたの?」 娘が「パパが貸してくれたの♪」というと「似合ってるじゃない。貰っちゃいなさい!」 娘は嬉しそうに「ウン♪」と。私はビックリ仰天 「なにー! ダメだ! 返しなさい!」 と云っても娘は「ママが貰いなさいって云ったもん♪」と返しません。 学校に着て行ったら先生に「そのベストどうしたんだ、似合うじゃないか」と言われて 「パパに貰ったの♪」と答えたとか。 貰ったんじゃないだろう。強奪したんだろう。(`ヘ´) 何度も返せと云ったのですが、とうとう帰ってはきませんでした。 登山用のダウンベストは高いのに。(泣)
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