体の「防衛系」は?  衛生委員会 2013.2.27 【 indexへ】

『「まじめ」をやめれば病気にならない』(by 安保徹)という理由をまじめに考えてみる

内容(「BOOK」データベースより)
現代人の万病の元はストレスだった!? 残業続きで働きすぎ、夜遅くまでパソコンのしすぎ、人間関係で悩みすぎ―まじめな人ほど病気になりやすい。飲み食いで解消するのも限界がある。
からだを守る白血球とからだ全体を束ねる自律神経の関係を解明、「病は気から」を医学的に証明した世界的免疫学者が、いつまでもボケずに健康でいられる秘訣を伝授。「七十歳まで無理せず働く」「笑みを絶やさない」「毎日歩く」など、ちょっとした工夫で体調はみるみるよくなる。
からだの声を聞けば、免疫力は自然と高まる。

体全体を束ねるのは「調整系」、「循環系」、「防衛系」の3つ。

「調整系」は自律神経

疲労とストレス」で触れた自律神経、緊張の「交感神経」と、逆に体をリラックスさせて修復・回復させる「副交感神経」の話。このアンバランスが病気にという話は良く解る。

"「まじめ」をやめれば" というのは「ストレスを貯めこまないで」ということらしい

「循環系」は血行

ストレス反応は血管の収縮から低体温、低酸素、高血糖。
それが瞬発力を生むが、慢性化すると・・・。それを解きほぐすのが前回の「疲労回復・ストレッチ」や「呼吸法」。それらで血流、体温のレベルが改善される。

「防衛系」は白血球

血液は赤血球、血小板、白血球から。そして白血球は顆粒球、単球、リンパ球の3種類。

  • 顆粒球の中心は好中球で、バイ菌や細菌などの感染に駆けつけて戦う。判りやすいのがケガ。傷口から発生する膿はバイ菌との戦いで死んだ好中球の残骸。
  • 単球マクロファージは防衛系の司令塔。異物を見つけると食べて、それが大きなバイ菌だったら顆粒球の増員指令を、小さなウイルスだったらリンパ球に手配写真付き出動指令を出す(抗原提示)。また膿を含め細胞の残骸も食べてしまう。
  • リンパ球はウイルスなどの小さな異物や腫瘍などに対応。過去の戦闘を記憶し、司令塔からの抗原提示に基いて専門部隊を編成。矢(抗体)を射るB細胞、肉弾戦のT細胞、ガンも食べるNK細胞などからなる。

なんて細かい話はwikipediaに任せて・・・、

白血球は両刃の剣

顆粒球はバイ菌への武器として活性酸素を沢山もっていて、それはとても必要。でも寿命が2日と短く、死ぬと活性酸素が漏れる。人間の体はそれを中和する仕組みを持っているが、あまりに多いと防波堤を乗り越えて正常細胞も痛めてしまう。
ガンを始めとする病気の70~80%が、この顆粒球の増えすぎの影響と。

リンパ球もバランスを崩して暴走するとアレルギーや、自己免疫疾患(リウマチなど)に。
その白血球のバランスを保つのも「調整系」の自律神経。

 

「生き方」と「病気」

ストレス反応(交換神経系)は命に関わる緊急事態に体を対応させるもの。動物の「食うか食われるか」状態はケガを負う可能性大。ケガ=細菌の侵入には大量の顆粒球が必要。しかし動物の緊急事態は一瞬で決着。
ところが動物の成れの果ての人間社会では往々にして慢性的ストレスで交感神経緊張しっぱなし。白血球の中の顆粒球も増えすぎて、活性酸素が防波堤を超えてしまう。
夜更が過ぎるとリンパ球が暴走してリウマチとかの自己免疫疾患に。
「生き方」と「病気」はこうしてつながります

消費するエネルギー量にも関係が。「特に活動的な人」、「無気力な人」でも白血球の総数が変る。落ち込んでいる人、うつ状態の人は白血球がガクンと減り、免疫力もガタガタ。

気持が元気な人は病気になりにくい
病は気から」は「根性」のことではありません。瞬発的な根性なら良いですが。

白血球の総数と内訳を見れば自分の状態が

会社の健康診断では白血球の総数だけ。人間ドックだと白血球の内訳(白血球分画)まで測定するところも。健康診断でも人間ドックでも正常範囲は外れたら既に病気の可能性大というレベル。でも、当分病気にはなりにくいという理想範囲はすこし狭い。実例をひとつ。

状態は判ったがそれを改善するにはどうしたら?
この答えがこれまで見てきた有酸素運動睡眠、体を温める(入浴)、そして笑うことストレスを貯めこまないこと、そして・・・。 

「爪もみ健康法」で自律神経のバランスを改善

爪もみ健康法」はネット上にも沢山記事が。ただし「薬指は交感神経を刺激してしまうので、特別な場合以外揉みません」というのは2006年までの説。今では「薬指も含めて全ての指を爪もみ」。その方が白血球総数を推奨値まで増やし、顆粒球とリンパ球のバランスも良好に。

なぜそんなことでバランスが改善されるのか。ここから先は脳科学の世界。
脳神経細胞(ニューロン)は枝を沢山持っていて、他のニューロンとシナプスで連携し、複雑なネットワークを構成しています。単純に言えば脳の回路は絡み合っている。共有している部分もある。そして脳の体からの触覚、運動に関わる部分で大きなシェアを占めているのが、手のひら、足の裏、口など動物本来の情報源。そこから沢山の刺激(情報)が来ることが脳と体の活性化の条件、動物本来の状態、と考えれば竹踏み健康法だって納得できますね。よく噛む、ガムを噛むなども実は脳を良好に刺激しているとか。