北道3世号作成記 Page4

大元の原因は2つある26インチ

さて、30mmのスローピングだと思っていたのが、何故11.9mmのスローピングだったのかですが。
「シートチューブ長(STL)が500mmならヘッドチューブ(HTL)は100mmでトップチューブ水平」
と言ったときに師匠の頭の中にあった26インチというのは昔の26インチだったんだろうと思います。前回の2世号の仕様決定でも実はBB下がり(BBD)を50〜55mmって仕様書でおおもめに揉めたんです。

師匠:こんな自転車はダメだ! 65mmはないと。出来ることなら70mmだって欲しいところだ!
わし:そんな殺生な! これロードじゃ無いんですよ、26インチなんですよ、そんなに下がっちゃ山道なんか走れないじゃないですか! アアダコウダ
師匠:いや、これはおかしい・・・ウンヌンカンヌン

それで2回ぐらい打ち合わせが纏まらなかったんじゃないかな? でそれが決まった日も1時間以上ももめたような。

お互いになんてこいつは頑固なんだろうと思いつつ絶対譲らず・・・と言うのを面白そうに見ていた常連さんがショールームの26HEツーリングを指差して一言。

「社長、あの自転車のBBDはいくつなの?」
「あれは50mmだよ、あってマウンテンホイールだもん、ん? これもそうか!」 
「だから26インチだからってさっきから言ってるじゃないですかー!」

これでやっと話が終わったんですが、私はそのとき師匠は26インチであることを忘れていつものロードの700c感覚で言っていたんだろうと思ってたんです。 


が、そうでないことに気がついたのが今回、つい2週間前のこと。プリンタ打ち出し図面にBBD=55 (275)と書いてあるではないですか。

「これなんかおかしいよ、BBD=50だってBBハイト(地面からの高さBBH)は実測262なんだよ、変じゃない? 2〜3mmの誤差はあるだろうけどさ。」 
「うーん、あっ、この値(入力パラメタ)がおかしいんだ!」

と指差した数値は330.2とあります。ホイールの半径のこと。
26HEはリムが559ですから割る2プラスタイヤで1.25~1.35インチの場合だいたい315ぐらいです。
で、330mmと言うのはいったい何かと言うと昔の26インチですね。
そんなもん今時26インチなんて言うかい! 650Aとかそう言え! 紛らわしい!

要するにその差15mm分BBDが減って、その分STLが上がって30mmのスローピングのはずが15mmになっちゃった。更に細かい事情で最終12mmで仕上がったって訳です。それはちゃんと2年前の2世号の最終確認図面に書いてあったんだけど、あんまり数字が沢山あるんで私が全然解らなかったんですね。

で、師匠が旧26インチのイメージで言っていた「STL500mmならHTLは100mm」が私の頭の中で更新漏れ、同期不整合になったままだった訳です。まあ、障害の原因は何年も前のシステム開発時なんてのは良くある話で。わはははは・・・(,_'☆\ ベキバキ
しかし思わぬところで明らかになったケルビムの精度、う〜んさすがです。(ヨイショ!笑)
理由は解ったけど問題はこれでは想定したポジションサドル高とヘッドチューブの位置関係が2世号と変わってしまうことです。どれだけ変わるのか、この計算には往生しましたわ。


結果はヘッドチューブ上面:シートアングル(SA)の1度変化+オフセットの5mmの変化で5.2mmUPサドル位置:BBDの50mm から55mmへの変更で4.8mm、シートチューブ角度の1度の変更で3.4mm合計で8.2mm下がる。差分合計は13.4mm。12/7の最終打ち合わせではそこまで正確な計算はしていなかったのですがHTLを10mm短くしたので、この垂直距離の9.6mm緩和で、結果3.8mmの現行比アップ。

う〜ん、これぐらいなら誤差のうちとするかな、まさかHTL106mmに変更なんてみみっちいこと言いにくいしな〜。最終GOサイン出しちゃったし、もうパイプの切断寸法まで計算しちゃってるだろうしな〜。

ん、まてよ? シートチューブを倒したのはサドルの後ろに持っていくためだぜ。サドルバックのためにね。サドル位置は変えないんじゃない。すると3.4mmは加えなくて良いんじゃないか。とすると0.4mm、四捨五入すれば0mmじゃないですか。ジオメトリは違うけどポジションは2世号も3世号も全く同じ。バンザ^−イ! (^o^)/

これでフレームジオメトリの頭のブレーカーが飛びそうな一切の迷いから開放されました。残るは色とか組み付けパーツとか楽しい迷いだけです。(笑)