賄い風ツーリング車考

(page1)
ツーリング車の定義
タイヤ
3 ギア比

(page2)
フレーム
クロモリ−チューブ径
Wバテッドの厚み

(page3)
 7  ポジション−ハンドル高
 8  シート角
 9  トップチューブ長
10  BB位置

(page4)
11  ジオメトリの制約
12  装備とジオメトリ
13  ランドナーフレームの特徴

(page5)
14  ハンドル
15  ハンドルとフレーム

(page6)
16  ブレーキ
17  ディレイラーとシフター
18  泥よけ

(番外)
賄い式ツーリング・ハンドルの系譜  
26HEツーリングタイヤ  
シマノの新カンチブレーキ

これはNIFTY自転車フォーラム「FCYCLE」自転車工房会議室で、2003.10.02から11月末頃まで続いた「賄い風ツーリング車考」スレッドよりRESを除いた私の投稿分の過去ログです。 ちょっと書き直しましたが。


0056.jpg

今度は真面目にツーリング車について考えることにしましょう。題して「賄い風ツーリング車考」
って、自分の平地用次期主力戦闘機の為の頭の整理なんですがね。わびさび2世号はツーリング車じゃないのかって? あれは本来「ツーリングもお茶の子さいさいマウンテンバイク」 です。今度はツーリング専用車。だから山サイの都合はあまり考えません。あくまであまりですが。

ツーリング車の定義 

さて本題、ツーリング車とは? 実に単純です。自転車ツーリングにとって必要な要件は何か。これを絞り込み、解を与えて行って出来上がったものです。
それじゃ〜「MTBでツーリングですか?」の大将と同じじゃね〜かって? そんなこと言ったってここだけは違いようがないじゃないですか。;その割りには出来上がる自転車が全然違うところが面白いと思いません?

ツーリング自体はどんな自転車でも出来ます。MTBやロードレーサーでツーリングやポタリングをする人は沢山いますしそれで良いのです。短時間、短距離のポタリングなら観光地のレンタサイクルだって良いですよ。

しかしツーリングの為の自転車を作ろうと考えだすと「何でも良いです」では話しになりません。ロードレーサーは30〜50km/hってスピードで長く早く走る為に考え抜かれた自転車です。観光地のママチャリはお値段は別にしてもそもそも設計時に考えているのはまあ距離にして10kmぐらいを誰でも(おばあちゃんでも)が乗れることでしょうね。
あまり細かな条件をつけてもしょうがありませんから、ここでは単純化して

  • 長〜い時間乗っていても疲れない
  • 翌日に疲れを持ち越さない楽な自転車 

と考えることにしましょう。

個人的意見ではありますが、ツーリングはスポーツだとは思っていません。観光です。まあ「旅」と言う意味では楽なことばかりでも無くて、雨だの風だの宿に着くまでの残り時間とか、辛い峠の登りなんてのもあって、決してお散歩ばかりではないのですが。

でも必死にペダルを踏み続けるのでは観光になりません、そりゃもったいない。たまに辛い場面が有るにしても大抵は自転車に乗っていることもペダルを踏んでいることも忘れて移りゆく風景を満喫しているってのが理想です。私はね。
まあ前提として平均的なシクロツーリングを想定しているつもりなんですが、結果自分のスタイルでしかないかもしれないと言うのはお約束ってことで。

 タイヤ 

 自転車界の2大勢力、ロードとMTB。両方とも最初にあるのはタイヤの問題です。
ロード乗りの方は舗装路以外を嫌う人が多いですね。23Cはあまり乗ったことは無いですが道を選ぶのは困ります。選ばない人なら良いですが。まあ汎用性ってことでは25−35Cぐらいでしょうか。

MTBはと言うと典型的なMTBでは走りが重い。まあ、そればっか乗っていて、かつ1日の走行距離も短ければ気にならないでしょうが。少なくとも長距離になると快適とは申せません。

700cでも32c以上だと全く問題はありません。クッション性も良いですしタイヤの太さだけでも相当に走りは楽になると思います。MTB26HEなら1.35〜1.5インチぐらいのセミスリックやサイドノブなら山サイもこなしながら舗装路でも楽に走れます。ママチャリタイヤとあまり変わりはありません。昔で言うと650A、1-3/8ってとこですかね。あれも汎用的だからああなっているんでしょう。 1-1/4(1.25インチ)でも良いです。

030126.jpg

ギア比 

一番中心となるスピードが決まれば大体使用する歯が決まってくるはずです。
まずロードはフロントトップがでかすぎ。リアのロー小さすぎ。常用速度を考えてみてくださいな。48以上なんて要らないでしょう。だからロードクランクは私は却下です。今のリアはトップ11〜12ですぜ。
フロントトップ52なんてのはリアが14とかの時代のレーサーでしょう。MTBのトップ44TTリア11Tの方がギア比は高い。だいたいロードの人達だってフロントトップなんて滅多に使わないという多数の証言が(笑)。

700Cならフロントトップ44〜46Tで十分、26HEだって46〜48Tで十分じゃないですか? リアトップ12Tでね。フロント/リアのギア比でトップ側MAX4倍もあれば十分だと思うので。
ロードな方でも「そこまでもいらん!」と言う方はいらっしゃいますが、まあお気楽ツーリングで必死にクルクル回すのもなんですから。

ロー側は走るところと本人の脚力で「激坂は立ち漕ぎじゃ!」って人は「あまり軽いと坂が登れないじゃないか!」とも。
まあ、私は絶対に立ち漕ぎはしない派ですから軽い方が良い。 「ギア比1以下なんて当たり前でしょ!」って人種です。だからフロントがワイドになる訳です。
Wかトリプルかは・・・某神田の店主があまりにも強くWを主張するんで、反動で頭っから否定したいところですが。本心どっちでも良いです。
平地中心でフロンと歯数差12Tぐらいでも良いなら46T-34TのWでも良いでしょう。但し私は「坂の町鎌倉」だしダンシングなんで絶対にやらないので最低でも26Tは欲しいっす。
だからトリプルですね、それも超ワイド。

今有るのは26インチではPCD110mmで48T-36T-24T、4アームPCD104mmで48T-36T-22T、5アームPCD94mmで46T-34T-22Tと44T-32T-20Tです。
汎用的には46T-34T-22Tあたりが一番良いかもしれません。もちろんそんなもの売っていませんが。組み合わせて作ればよい・・と言うのは私のような好き者の話で、48T-36T-26Tぐらいならさがせばそんなに高くなく普通にの値段で売っています。

もちろん44T-32T-22TのMTBクランクでも良いのですが。個人的にはミドルの32Tはちと小さすぎるような。 と言うか、最近のワイドなMTB用のミドルがアウターよりもインナーの歯数に近いのはFDの構造によるものと私は思っています。少なくともツーリングの場合、ミドルはインナーよりもアウター側に寄ってる方が使いやすいと思います。

020214.jpg