奈良平安期の寺社 星井寺 (せいせんじ) |
|
極楽寺坂切り通しの入り口に、念仏を書いた白い旗が沢山立っているところがあります。以前から何じゃろか? とは思っていたのですが、小さいお堂なのでそれ以上には気にせずに上に上がりもしなかったんですが、なんと1200年も前から有ったお寺なんだそうです。 星井寺(せいせんじ)」と言って天平(729-749年)年間、聖武(しょうむ)天皇の時代に杉本寺、岩殿寺と同じく行基によって創建されたとのことです。行基って東大寺の大仏建立に関わった高僧と言うことは知っていたんですが、改めて調べてみると行基の活動って鎌倉時代の一編上人に似てますね。下層階級の救済に力を注いだようです。こちらのサイトによると最初は弾圧されてたんですね。最後は日本で最初の大僧正らしいですが。
「私度僧」と言うのはお寺で正規の修行を積んだのではないアングラ僧ぐらいの意味です。実はもうひとりの奈良の大仏の立役者良弁も私度僧でした。 ちなみに縁起はこちら、画像をクリックすると拡大します。行基がこの地の住民にこの井戸を覗くと明るく輝く明星の光が見えると聞き、覗いたら虚空菩薩のお姿が見えたと。それで虚空菩薩の像を作ってお堂を建てて安置したと言うのがこの星井寺の縁起です。 虚空蔵菩薩と星は近い関係があるそうです。虚空蔵菩薩の信仰は、奈良時代にはすでに盛んで、それが奈良時代の行基が井戸の中に写る星の光に虚空蔵菩薩を、と言う背景なのでしょう。
とこのすぐ先、極楽寺切通しの上の成就院のご住職がおっしゃっていたそうです。 ノーストロボ・スローシャッターなんで良く見えませんが、肉眼でもこの程度です。 中に安置されているのがその虚空蔵菩薩なんでしょうか? 行基が彫った虚空菩薩は何処に行ったんだって? さー、なんせ奈良時代、1300年近く昔の話ですからね〜、朽ち果てちゃったのか、そもそも無かったのか、行基ってほんとに仏像を彫ったんでしょうか? と言うか、行基作である仏像ってどこかに現存するのでしょうか? 鉈彫で検索したら伊勢原の日向薬師に行基作といわれる薬師瑠璃光如来(重文)があるみたいです。「鉈彫(なたぼり)像の代表格として有名」とか。大山寺ともども一度行かなければなりませんね。 こちらがその「星月夜の井(ほしづきよのい)」という井戸です。鎌倉十井のひとつだそうです。 下から見上げるとなかなか雰囲気はありますが・・・・ 小さなお寺・・・と言うよりお堂(虚空蔵堂)ですね。
|
|