番外:ツーリングハンドルの系譜

賄い博士(笑)のハンドル研究の最初は、SCOTTのフルホーンバーでした。
定価は1万円を超すものが2千円ぐらいで出ていたんで買っちゃいました。がそのうちフルホーンバーの先の方など自分は滅多に使わないことに気が付きます。
使うのはここまで! と切ってしまいました。まだ軽量化ヲタクだった頃なので「これでだいぶ軽量化出来ただろう♪」と測ってみたら・・・・
そもそもこのハンドル、高級品なんで最初から軽量化、それの先端をちょんぎったってろくに変わりはしないのでありました。残念。(^_^;)
で、このハンドルバーのどこを持つかというと、山サイではもちろんブレーキレバーに指をかけながらですから普通の位置なんですが、普通にツーリングとかアプローチでは手のひらをひっくり返して両端の曲がったあたりを持ちます。
つまり、手のひらの角度はちょうどヨチヨチ歩きの赤ん坊に両腕を差し出して「さあ、おいで♪」状態で、そのまま手のひらを握った感じ。さあ、やってみましょう。(笑)
出来ましたか? この角度がとても楽なんです。
それにジェイくんに教わってロード用のバーテープを巻いたんで御座います。

次に見つけたのが、チネリのスピナッチライトです。これも定価はえらい高い(当家比)んですがなにやらある種のロードレースではこれが使えなくなっちゃって投げ売りになったとか。
ほんとはロード用のドロップハンドルバーとMTB用じゃ、径が違うんですが、それを無理矢理取り付けます。だからここにあまり力を加えると下がってしまいます。
なのにどうしてこの状態で長いこと使って居たかというと、ちょうど手首のの手前をSCOTTバーのバーテープを圧巻きしたあたりに乗せ、手首から先はスピナッチライトの両脇から軽く包み込む、これで直進の維持、左右のコントロールだけで体重は手のひらから手前で受けていますからとっても楽です。
2〜3年経ってからケルビムのビルダー、今野仁さんが同じ発想でヘンテコなハンドルを作っているのを知りましたが、「あの発想は絶対に俺の方が先だ!」と確信しているので御座います。(笑)

しかしこれは娘やママにはえらい不評で。いや見かけですが、眉をしかめて「クワガタみたい」と。(苦笑)


錦の御旗号のときはリッチーのストレートバーにやはりスピナッチライトを付けました。

ところで、我が家のスピナッチライトは2セットともオリジナルな形は止めてはいません。
まず最初にこれまた先をちょんぎってしまいました。
大体、使う目的も付けるハンドルも違うんですから、先の方なんか要らないんです。
次に角度も違います。これは近所で曲がり損ねて転倒してスピナッチらいとが曲がってしまったのですが、なんとその曲がった状態がなかなか持ちやすい。それで左右合わせて曲げてしまいました。つまり本来平行であるはずの部分も先の方がすぼまっています。


SCOTTのフルホーンバーのお高く無い方の普通の白いアルミハンドルも手に入れました。
これは友人の奥さんのビアンキ・スタッカードの 紅孔雀号  (2000.12.) をレストアをした時に、私の試乗の段階で付けていました。先に述べたように手のひらおいでおいで状態が出来て楽なんですが、難点はその幅です。ちと腕が開いてしまうのです。
出来ることなら真ん中でちょんぎって縮めてしまいたいところですが、アルミですからそうも行きません。

しかし紅孔雀号 はお散歩車ですからこれでよいのですが、50〜100km/日を走るツーリングではこの先ちょん切りフルホーンバーでもちょいとつらいものが有ります。
もちろん普通のフラットバーよりはずっと枠なんですが。
それに、スピナッチライトは流石に輪行では邪魔。(;^_^A アセアセ…


白玉あんみつ号  に最初に付けたハンドルは神田のアルプスで買った日東のフラットバーです。ただのフラットバーよりも両端が手前に曲がっているので若干楽です。しかしアルプスさんはあれだけ居住性云々言うのにドロップでなければ普通にストレートバーを使うのが解せません。「そっちじゃなくて曲がってる方」と言ったら、「え〜、こんなの使うの〜」って顔をされました。まあ、それはともかく、これだけ曲がっていても「もうちょっと!」と言う感じです。

そこで画像にあるコブを付けてみました。手のひらをグリップの上に置いて体重を支え、親指と人差し指でこのグリップ?を軽く握るぐらいです。要は掌がハンドルの向こうに落ちないようにつっかえ棒にしているわけですね。そのおかげで掌は肩幅に対して平行ではなく斜めに、ちょうど腕から親指の先までが一直線になるような感じです。
もちろんダートな山サイとかクネクネ曲がるときはちゃんとグリップを握っていますが、ちょっと掌の位置をずらすだけです。MTBのバーエンドだとそうは行きません。

このとき使ったコブは実は片方はギドネットレバーに使うコブです。ものはヨシガイのもので、ヤフオクで細山製作所の細山さんから落札しました。しかしそのときえらいフィーバーしてしまって値をつり上げ、細山さんはこの値段は無いだろうと思ったのか2セット送ってくれました。良い方です。後で世田谷の長谷川に行ったらこいつがゴロゴロしてた。(苦笑)


ところでこの白玉あんみつ号  、後に吉川のギドネットレバーを手に入れたのでドロップハンドルにしました。そのドロップハンドルも最初に付いていたマースバーは「下なんか使わない!」と、途中でちょんぎっちゃったのですがやはり視覚的なバランスは悪いですね。(苦笑)
で、この画像はアウトドアライターの安藤 眞さんに2つ目の吉川のギドネットレバーを上げたときに変わりに貰ったものです。

不要なはずのドロップハンドル下部の使い道はライトの取り付けです。(笑)


さて、白玉あんみつ号で試したハンドルはグレードアップして最初のフルオーダー車、わびさび2世号に継承されました。どこがバージョンアップしたかと言うと革グリップとクロムメッキのギドネットのコブです。
このグリップは太いので手のひら接地面、と言うか体重がかかる面積が増えて楽です。神田のアルプスで買ったのですが、気に入ったので予備を買いに行ったらもう品切れでした。おまけに作って居る会社はもう無くなっちゃったかで2度と入らないとのこの。ガーンでしたね。
それにしてもこの頃の色は初々しいこと。(笑)

その当時のわびさび2世号です。この状態で2年間ぐらい乗りました。
その後は・・・・、北道3世号ばかり乗ってこれには乗っていません。
チェーンを取られたままワークスタンドにぶら下がっています。
ちゃんと乗れるようにせねば。(;^_^A アセアセ…


おねえさんのミキストでちょいと試したのがこのフィリップスの街乗りハンドル。
オーナーのたっての要望でゴムグリップの上に革テープを巻きました。
長距離ツーリングだと肩幅より広いのがちょいと難点ですが、しょうがないですよね、フランス人の肩幅に会わせたハンドルなんですから。
しかし近場のお散歩車としてはなかなか楽でした。


わびさび2世号にチネリのノースロードバーを付けたこともありました。
ただしこのチネリのバーは径が太くてMTB用のブレーキレバーが入りません。
やむなくオポジットレバーで逃げます。
実にカッコ良い! 使い心地もなかなか良かったのですが、オポジットレバーは効きがスローになって近所の山サイでタイミングが合わず、自転車ごと前転倒立をやってしまい、車重さ+体重の全てをフォークにかけてボカマのクラウンを曲げ、トップチューブとダウンチューブに皺が入ると言う大事件に。
いや、しばらくそれに気が付かずに乗っていたんですが。フキフキ "A^^;
「これは山サイ車には向かん!」
ちなみにオポジットレバーは効きがスローなだけで最後にはきちんと効きます。ギドネットレバーと同じですね。構造的にも同じようなもんだし。要するに梃子の原理そのままです。レバーの長さは同じでも持ち方が逆ですから力の入る、実際にレバーを引き絞る人差し指と中指は梃子の先端を絞ることになります。力は強い(逆に言うと軽い)がストロークが長いとこういう訳ですね。
もうひとつ、これもやはり欧米人の肩幅が前提なので広すぎます。


これはもう特注するしかありません。
で、最新式北道ハンドルをフレームごとフルオーダーで発注したあとにその後に試してみたのが3Mのノースロードバー。デュラエースの9Sシフターをそのオーダー車「北道3世号」に持っていくし、ツーリングメイン車が出来るので、わびさび2世号は山サイ車に特化するためにラピッドファイアー復活です。
こちらの径はMTB用のブレーキレバーもシフターも入りますが・・・・、やっぱり幅が広すぎ。
何とか内側にセットしてもシフトレバーが太い革グリップに干渉する。それをやっとの思いで逃げても、今度はブレーキレバーがハンドルと平行にならない。
なんとかなるかと乗ってみましたが、ダメです。角度が変で引き絞れません。これじゃ〜山サイなんてとんでもない話。それどころか街乗りだってストレスがたまります。
このハンドルも諦めました。却下です。高かったのに。 (ノヘ;)シクシク..

その次に手に入れたのがこのハンドルです。ケルビムに有りました。
これならラピッドファイアーでもなんとかなります。


色んな形のハンドルを集めています。右から4.5の2本はまだ使っていません。4番目は良いかも。一番上がケルビムに特注した最新式北道ハンドル(ノースロードバー)です。
実はこのあと2本増えました。いや2本で2千円台の安いハンドルですがね。
でも一応イタリアの有名ブランドです。(笑)


最新式北道ハンドルの仕様を決めるのに使ったプロトタイプがこれです。
こいつは角度を変えられるんです。何で変えられる野かというと・・・
めんどくさいのでやめておきます。(笑)

メッキ前に確認。
う〜ん、指定した角度と微妙に違うんだけどな〜。(;^_^A アセアセ…
まあいいか。

その最新式北道ハンドル(ノースロードバー)のメッキが上がって装着したのがこの状態。
実に具合が良いですね。両端のカーブが最高です。いや、これは私の発案でなくて今野さんのアイデアなのですが。最初のプロトタイプの時に「何でこんなとこ曲げたの? 変なの!」なんて言っていたんですが、実際に使ってみるとなかなかどうして優れものです。
なんでこのカーブが良いかと言うとほんの数mm〜1cmも場所をずらしただけで手のひらの圧迫されるところが変わるのです。但し、この曲がりのきつさでブレーキレバーを通すのに苦労をしました。最初は革のバーテープを巻くつもりだったのですが、試しにリッチーの固いスポンジのようなグリップをはめてみたらなんとかこのRに耐えてくれます。このリッチーのスポンジグリップは昔からお気に入りだったのですがフレームと同じ黒と言うのもいい味を出しています。・・・と本人は思っているのですが。

ただし、難点が無い訳ではありません。まあ、発注時点から解っていたことでわたし的にはノープロブレムなんですが。
まず、ステムはフルオープンでないと使えません。そりゃ〜そうですよね。
次にシフターはハンドルに付けられません。やろうとすればラピッドファイアーの一体型ですがしかし今時ラピッドファイアーのレバーはVブレーキ用です。私はカンチがいいんです。
となるとオークションでXTRの昔の8S用でも漁るしかありません。
でもこれはツーリングメイン、山サイはついでって自転車ですからWレバーで十分です。カンパのブレーキレバーも使いたいしね。(笑)
まあ、最初からそのつもりですからこの形状ですが、シフターも付けるつもりなら次の今野親爺さんの自転車みたいなハンドルになりますね。

 

と言う訳で今野さんのオリジナルハンドルについては画像をクリックしてください。